今回は思春期の女性とスポーツ活動について書いてみたいと思います。
ここでは以前ブログに書いた、脂肪が関係してきます。以前のブログを読まれていない方は、ぜひそちらの記事も読んでみてください。
体脂肪と男女差
女性は男性と比べて、体脂肪量が多くなっています。しかし、最初から体脂肪量に男女差があるわけではなく、特に男女差が出てくるのは思春期以降です。
その頃になると性ホルモンの分泌に男女差が出てくるようになり、女性は女性ホルモンの影響で、臀部や脚に皮下脂肪が付きやすくなり、丸みを帯びた女性らしい体型に変わっていきます。
二種類の体脂肪
脂肪といっても、ヒトの体には付着している部位によって、大きく二つの脂肪に分けることができます。
内臓脂肪と皮下脂肪です。
女性に多いのは、後者の皮下脂肪です。
中年以降の男性に多いのが、前者の内臓脂肪ですね。
内臓脂肪はメタボリックシンドロームとの関連も深いので、注意が必要です。これには、以前のブログでも書いた、脂肪細胞から分泌されているアディポサイトカインも深く関連しています。
女性に多い皮下脂肪は、メタボリックシンドロームとの関連は、内臓脂肪ほどはないと言われています。しかし、皮下脂肪でも大量に付きすぎると、体重の増加などにより、膝関節等に過剰な負担がかかってきますので、注意が必要です。
少し話が逸れてしまいましたが、思春期以降は、女性ホルモンの影響で、臀部等に皮下脂肪が付着しやすくなり、丸みを帯びた体型となっていきます。この脂肪は女性にとって非常に重要な働きをしていまして、特に脂肪細胞から分泌されているレプチンというアディポサイトカインは、女性の性腺機能の調節も行っています。
そのため、過度な肥満のためにレプチンに異常が起こると、月経異常を起こしやすくなると言われています。
また、肥満だけでなく、過剰に痩せすぎて、体脂肪が極端に少なくなりすぎても月経異常が起こりやすくなると言われています。
月経現象はとても微細な機構によって調節されていますので、激しいスポーツ活動によって何らかの影響を受けることも指摘されています。
スポーツ活動と月経異常
実際に、スポーツ経験のない一般女子大生と、専門的な激しいトレーニングを受けた女子大学生とで初経が来た年齢を比較すると、専門的な激しいトレーニングを受けた女子大生は、スポーツ経験のない一般女子大生と比べて、初経が来た年齢が遅かったという報告もあります。
特に持久系のスポーツしている方は体脂肪量が少なくなりがちです。この体脂肪率が10%未満の女性では、ほぼ全員の女性に何らかの月経異常が発生しているという報告もあります。
思春期の女性にとって、この体脂肪はとても気になる存在です。しかし、過度なダイエットや激しいスポーツ活動を行いすぎると、月経異常のリスクも増していきます。
体脂肪は女性にとってとても重要な働きをしています。そのため、思春期の過激なスポーツ活動(特に持久系のスポーツ)はできるだけ行わず、スポーツを楽しむ程度の方が、健康のためにはいいのではないかと思います。
ただ、トップアスリートを目指しているような方は、そうも言っていられないかと思いますが、過激なトレーニングが、体にどのような影響があるのかもしっかりと理解した上で、行うようにした方がいいのかなと思います。