私たちの体の中にある全ての細胞内に存在しているミトコンドリア。ヒトが進化してきた過程で、ミトコンドリアはなくてはならない存在です。
しかし、このミトコンドリアは諸刃の剣で、細胞を老化させる原因でもあります。
今回はミトコンドリアと老化について書いてみたいと思います。
ミトコンドリアの働き
ミトコンドリアの重要な働きは、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)を作ることです。
ヒトがATPを作る方法は3種類ありますが、ミトコンドリアはその内の1つを担っています。
この時ミトコンドリアは、体内に取り込んだ酸素を使ってATPを作り出しているのですが、この酸素を使ってATPを作る時に、副産物として活性酸素が発生してしまいます。
活性酸素は細胞を老化させる原因の一つなので活性酸素の発生はできるだけ抑えた方が、老化現象を抑えることができます。
その他の2種類は、ATPを作り出す時に酸素を使わないので、活性酸素が発生することもありません。
しかし、酸素を使わないため、ATPを作り出す能力に限界があります。短時間にたくさんのATPを作り出すことができますが、長時間にわたってATPを作り出すことができないというデメリットもあります。
それに比べてミトコンドリアは酸素を使ってATPを作り出していますので、酸素さえ取り込むことができれば、長時間にわたってATPを作り出すことができるというメリットがあります。
有酸素運動時のATPの産生は、主にミトコンドリアで行われています。
しかし、酸素を使うため、その副産物として活性酸素が発生するというデメリットもあります。
しかし、ミトコンドリアで発生して、細胞の老化の原因となる活性酸素の量を少なくする方法もあります。
活性酸素の発生量を抑えるには
ミトコンドリア内での活性酸素の発生量を抑えるために重要なポイントは、運動なんです。
適切な運動を行うことによってミトコンドリアの機能が高まり、活性酸素の発生量が少なくなってくるのです。
逆にあまり運動を行っていない人のミトコンドリアは、機能が低下しているため、同じ量の酸素を取り込んでも、作られるATPの量が少ないにもかかわらず、活性酸素はたくさん発生してしまいます。
しかし、適切に運動を行っている人では、ミトコンドリアの機能が高まっていますので、同じ酸素の量でもたくさんのATPを作り出すことができ、逆に活性酸素の発生量は少ないという特徴があります。
適切な運動を行っている人は、高効率なミトコンドリアをたくさん持っているということになります。
アクティブエイジングのためにはミトコンドリアの機能を高めてあげることが重要
加齢は止めることができません。しかし、加齢によって生じる老化は防ぐことができます。
そのために必要なことは、ミトコンドリアの機能を高めて、高効率なミトコンドリアをたくさん作ってあげることです。
この高効率なミトコンドリアを作るために必要なことは、「ちょいきつめの運動」をすることです。
散歩などの軽い運動では、高効率ミトコンドリアを作ることはできません。
運動を行う時のポイントは、筋肉に適度な負荷をかけてあげることです。
散歩を習慣にしている方であれば、ゆっくりと歩くのではなく、軽く息が上がる程度の速歩きを行ったり、定期的に筋力トレーニングを行うなどして、筋肉に適度な負荷をかけてあげれば、活性酸素の発生量が少ない、効率の良いミトコンドリアが体内で増加してきます。
定期的に運動を行い、ミトコンドリアを元気にして、老化に負けない健康な体を手に入れましょう。