ダイエットや健康のための運動は、有酸素運動をメインに行いましょう。

有酸素運動の効果

ダイエットや健康のために運動を行う場合、筋力トレーニングなどの無酸素運動よりも、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をメインに行うようにしましょう。

有酸素運動を継続して行うことで、最大酸素摂取量が増加していきます。

酸素摂取量とは、生体が1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量のことで、持久系の運動により増加していた酸素摂取量が頭打ちになった点が最大酸素摂取量になります。

最大酸素摂取量と持久能力の間には相関関係があるため、持久能力の指標として用いられています。

有酸素運動を継続することによって増加していく最大酸素摂取量は、健康との関連性も指摘されていて、程度はありますが、最大酸素摂取量が高い人ほど心血管系の疾患にかかりにくいとの結果も出ています。

具体的には、ウォーキングなどの中強度の運動であれば週に150分以上。ジョギングなどの高強度の運動であれば、週に75分以上行うと、死亡率が低下する可能性があることが指摘されています。

この最大酸素摂取量は20歳前後でピークを迎えた後、加齢とともに徐々に低下していきますが、有酸素運動を継続することで低下率を抑えることができ、有酸素運動を開始した年齢が早いほど、最大酸素摂取量の低下が小さいことも報告されています。

逆に筋力トレーニングなどの無酸素運動で向上する筋力は、筋力が強ければ強いほど健康であるわけではなく、筋力と健康との関連性は特にないようです。

かといって筋力トレーニングはまったく行わなくてもよいというわけではなく、加齢とともに特に脚の筋力が低下しやすいため、脚の筋肉を中心に適度な筋力トレーニングも合わせて行うことが、健康を維持していく上で重要だと考えています。

アンチエイジングのためにはミトコンドリアの機能を高めてあげることが重要

筋肉にはたくさんのミトコンドリアが存在していて、このミトコンドリア内で生体のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が作られています。

さらに生体内のミトコンドリアの80%は筋肉内に存在しているとも言われています。

ミトコンドリアはアンチエイジングとも非常に関連が深く、ミトコンドリアの機能を高めてあげることが健康にもつながってきます。

このミトコンドリアはブドウ糖や脂肪などを基にATPを作り出しますが、酸素も一緒に使うため、その代謝過程でATPとともに生体にとっては有害物質である活性酸素も一緒に作り出してしまいます。

活性酸素は老化の元凶ともなりますので、活性酸素の発生はできるだけ抑えた方が体の老化を防ぐことができます。

実は有酸素運動を行うことで、ミトコンドリアで発生する活性酸素の量を抑えることができるんです。

有酸素運動を行えば高効率ミトコンドリアが増え、この高効率ミトコンドリアは同じ量のブドウ糖や脂肪からたくさんのATPを作り出すことができ、逆に活性酸素の発生量は少なくなるという特徴があります。

逆にあまり運動を行っていない人では、低効率ミトコンドリアの状態になっており、同じ量のブドウ糖や脂肪であっても、高効率ミトコンドリアと比べて少量のATPしか作り出すことができず、さらに活性酸素の発生量は高効率ミトコンドリアよりも多くなるという特徴があります。

そのため、アンチエイジングを考える際、有酸素運動はとても重要であると言えます。

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ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動時の運動強度は脈拍数110を目安に

実際に運動を行う際、どの程度の運動強度で行えばいいのか分からないこともあるかと思いますが、運動強度が低すぎると十分な効果が得られにくくなってしまいますし、逆に強すぎても身体に負担がかかってしまいますし、ハードなトレーニングでは長続きしません。

運動によって高効率ミトコンドリアを増やすためには、ちょいきつめのトレーニングが効果的です。

その目安になるのが運動時の脈拍数が110程度になるような強度の運動です。

測り方としては、ある程度運動を行ったら、立ち止まって手首で脈拍を測ります。15秒間脈拍を測り、それを4倍して10拍プラスします。厳密に110回にする必要はありませんが、110±10程度であればOKです。

さらに厳密に目標心拍数を設定するのであれば、138-年齢/2で算出します。

脈拍を測るのが難しい場合は、主観的な評価であまりきつくない程度、運動中におしゃべりができる上限のスピードで行います。あまりきつすぎる運動は負荷が強すぎている可能性がありますので、注意してください。

また、心拍数に影響を与えるような薬を服薬している方は、運動中の脈拍数は参考になりませんので、脈拍による運動強度の調整はできません。

運動は楽しく正しい方法で継続していきましょう

運動は毎日が理想ですが、難しい場合は週に3回程度を目標に自分の生活スタイルにうまく運動を取り入れて、継続していくようにしましょう。

参考文献

Kikuchi K, et al: Impact of moderate-intensity and vigorous-intensity physical activity on mortality. Med Sci Sports Exerc. 2017 Oct 19.