今の子どもは小さい頃から幼児教育として、たくさんの習い事をしている子どももいます。
しかし、本当に小学校入学前の幼児期に、机に座って学習することが子どもの発育にとって大切なのでしょうか?
有名なWillams & Shellenbergerの「Pyramid of learning」というものがあります。中枢神経からの発達のピラミッドとも言われます。
ピラミッドの頂点に位置しているAcademic Learning(学術的な学び)が存在していますが、その学術的な学びを根底で支えているのは、嗅覚や視覚、聴覚、味覚、触覚、平衡感覚、深部感覚などの感覚システムです。
実はこの感覚システムが最も盛んに発達する時期が、乳幼児期です。
これは有名なScammonの臓器別発育曲線です
神経系は生後すぐから急激に発達し、5歳頃までに約80%、6歳になると約90%完成すると言われています。
そして12歳にはほぼ100%ととなり、それ以降は神経系の発達は起こりません。
だから幼児期に学術的な学びの土台となる神経系をしっかりと育ててあげることが大切なんです。
神経系を発達させるために必要なこと
それではこの神経系を発達させるためには、どんなことをすればいいのでしょうか。
椅子に座って机の上で勉強をしても、この神経系は発達しません。
この神経系を十分に発達させてあげるためには、たくさん外遊びをさせてあげることです。
何かスポーツを習わせるのも有効でしょう。
ただその場合は、1種類だけのスポーツをするのではなく、複数種類のスポーツを経験させるようにしましょう。
1種類だけでは動きや身のこなしのパターンが決まってしまい、いろんな動きや身のこなしを経験することができません。
なので、スポーツを習わせる場合は、1種類だけでなく、3〜4種類のスポーツを経験させる方がいいでしょう。
スポーツの習い事ではなく外遊びでも大丈夫!
ただ、小さいうちから複数種類のスポーツを経験させることは、なかなか大変なことでもあります。
なので無理にスポーツを習わせる必要はなく、外遊びでいろんな経験をさせてあげることでも、十分に神経系の発達を促すことは可能だと思います。
毎回、同じ公園に連れて行ってあげるのではなく、夏だったら海や川遊びなど、いろんな場所でいろんな種類の遊びを経験させてあげることが大切です。
暑い日が続くと、どうしてもクーラーの効いた部屋の中でテレビを観たり、ゲームをしたりして過ごしがちになってしまいますが、暑い日は川遊びなど、暑さをしのげるような場所に連れて行くなどの工夫をしてみましょう。
たくさん歩くことは脳の発達にもつながる
神経系の発達には、足を使ってたくさん動いて歩くことが大切です。
子どもは足の裏からたくさんの感覚情報を受け取っています。
その感覚入力は、脳の発育にも大きく関係してきます。
子どもの足に合った適切な靴を、正しく履くことはもちろんですが、安全な場所であれば、裸足になって足の裏からたくさんの感覚刺激を入力させてあげることも効果的かと思います。
ただ、アスファルトやコンクリートなど、固い道路の上を裸足で歩くのは足にとって良くありませんので、裸足になって遊ばせるのであれば、芝生の上や土の上など、柔らかい場所で裸足にするようにしましょう。
また、裸足になる場合は、足にケガなどしないよう、注意しておく必要があります。
足の発育は脳の発育にもつながってきます。
Pyramid of learningにも示されているとおり、土台である感覚システムがしっかりと確立していなければ、いくら学術的な学びを幼いうちからさせても、十分に身に付くことはありません。
将来の学術的な学びにつなげて行くには、幼い頃の外遊びで得られた感覚情報システムの発達が大切です。
是非ともお休みの日は、お子さんと一緒にいろんな外遊びを楽しむようにしてみてください!