糖尿病と言われても、初期であれば特にこれといった症状は出ないので軽視されがちですが、糖尿病の怖さは、その合併症です。
糖尿病の三大合併症
糖尿病には、糖尿病特有の3つの合併症があります。
- 糖尿病性神経症
- 糖尿病性網膜症
- 糖尿病性腎症
この3つが糖尿病に特有の合併症です。
糖尿病性神経症は、両足の末端から徐々に感覚神経が麻痺してきます。
手よりも足に症状が出やすく、左右対称に出現するのが特徴です。
糖尿病性網膜症は、目の網膜の毛細血管が障害されることで、最悪の場合、失明につながることもあります。
糖尿病性腎症は、腎臓の毛細血管が障害されることで腎臓の機能が低下し、悪化して腎臓が機能しなくなると、人工透析になります。
現在の人工透析導入となる原因の第1位は、糖尿病です。
この3つの合併症は、血糖コントロールをきちんと行っていれば予防できるのですが、長い期間に渡って血糖コントロールが悪い状態が続くと、合併症を引き起こしやすくなります。
この3つの合併症の中で、最も早期に出現するのが、糖尿病性神経症なんです。
なぜ糖尿病になると足のケアが重要になるのか?
糖尿病性神経症があると、足の感覚が鈍くなりますので、例えば、足の裏にタコができていても、気付きにくくなります。
通常、足の裏にがあって、その状態で歩き続けると、タコの部分に痛みが生じるのですが、神経症によって感覚が麻痺していると、その痛みを感じにくくなってしまいます。
また、靴の中に小石などが入っていてもその事に気付かずに歩き続けることで、足に傷を作りやすくなります。
糖尿病の場合、免疫機能が低下していますので、その傷から容易に感染し、骨髄炎などを併発してしまうと、最悪の場合、足の切断という事にもなりかねません。
そのため、毎日必ずご自分の足の観察をして欲しいのです。
毎日お風呂で足をしっかりと洗う習慣を!
お風呂に入る時は、必ず自分の足をしっかりと観察して、指と指の間までしっかりと洗うようにしましょう。
足は雑菌が繁殖しやすい場所でもあります。
毎日丁寧に洗う事で、足を常に清潔に保つようにしましょう。
また、保湿も大切です。
お風呂から上がったら、顔だけでなく足もきちんと保湿してあげるようにしましょう。
顔だけでなく、足も乾燥は大敵です。
毎日酷使している足を、いたわってあげるようにしてください。
糖尿病と診断された方でなくても、この足のケアはしっかりと行っていただきたいのですが、糖尿病と診断された方は特に、毎日の足の観察とケアを怠らないようにしてください。
1日働いてくれた足を、1日の終わりにしっかりといたわってあげてください。